2023年10月29日日曜日

説教メッセージ 20231029

 「経済が一丁目一番地!」という総理大臣の所信表明演説と解説のニュースを何度も見ました。「これが一番大切!」と強調するときに、「一丁目一番地!」と言いますね。では、「聖書の教えの一丁目一番地は何ですか?」というのが、実は今日のイエスさまへの質問でした。さて、何でしょうか?一緒に学びましょう。今日の礼拝は高蔵寺教会で担当します。Youtubeでの配信もします。礼拝へおいでください。お待ちしています!


聖書の言葉 マタイ 22:34~46 (新44)

34ファリサイ派の人々は、イエスがサドカイ派の人々を言い込められたと聞いて、一緒に集まった。 35そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。 36「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」

 37イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』 38これが最も重要な第一の掟である。 39第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』 40律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」

41ファリサイ派の人々が集まっていたとき、イエスはお尋ねになった。 42「あなたたちはメシアのことをどう思うか。だれの子だろうか。」彼らが、「ダビデの子です」と言うと、 43イエスは言われた。「では、どうしてダビデは、霊を受けて、メシアを主と呼んでいるのだろうか。

44『主は、わたしの主にお告げになった。「わたしの右の座に着きなさい、わたしがあなたの敵を あなたの足もとに屈服させるときまで」と。』

45このようにダビデがメシアを主と呼んでいるのであれば、どうしてメシアがダビデの子なのか。」 46これにはだれ一人、ひと言も言い返すことができず、その日からは、もはやあえて質問する者はなかった。


説教「1にも2にも大切なことは」徳弘牧師

1, 一丁目一番地…

先日のニュースで総理大臣の所信表明演説やその解説が流されていました。増税や物価高騰の中の国民の経済的な負担を減らそうという対策案の中で、家計の中の食費の占める割合を指す「エンゲル係数」という言葉とともに、「経済が一丁目一番地だ」という言葉が何度か出ました。

二つのことを思い出しました。一つは、子育てにかかる費用の割合を「エンジェル係数」という時があるし、高齢化して病院通いが増えると医療費の割合が増えるのでこれを「病んでる係数」というんだと友人から教えられ笑ったことです。

そしてもう一つは、ルーテル教会の東京の本部は市ヶ谷の一丁目一番地だったなぁということです。

それから今日の聖書です。「いろいろある聖書の掟の中で、何が一番大事なのか?」というやり取り。1丁目1番地、そして、1にも2にも大事なことは何でしょうか? 

2,聖書 

ファリサイ派とヘロデ派に続いて、サドカイ派の人たちもイエスに言い込められて、もう一度ファリサイ派の人たちが集まって、されなる無理難題の質問を持ってきました。先週読んだ聖書の個所に次には、「復活がない」と信じているユダヤ教の一派で、祭司層を中心にした裕福な上層階級のサドカイ派の人たちがやり込められた話があったのでした。

入れ替わり立ち代わり、イエス様をやり込めようという流れが続いています。

今日の質問は、律法の専門家です。当時のユダヤ教の聖典は「旧約聖書」とは言われていませんでしたが、今でいうそれに該当し、「律法、預言、諸書」の3つからなりますが、より大切なものを挙げた呼び方として「律法と預言」とも言われていました。

そのさらに一番大切なものは「律法」、つまり、神様からいただいた十戒を中心にして、沢山の規定が定められた掟でした。研究者によると、613もの掟や規定が書かれているといわれます。中には、一見矛盾しているような、時代感覚からするとどうかなというのもあったかもしれません。今私たちが読むと、そういう印象を受けるからです。そして、彼らは、その中から、どれが一番大切か?とイエス様の問うたのでした。

まさに、「聖典の中の、神の教えの中の、1丁目1番地は何か?」と問い詰めたのでした。

イエスの返答は明快でした。しかし、一つではありませんでした。1丁目1番地ではなくて、1にも2にも大切なもの二つと言えるでしょう。それは今の社会や世界を生きる私たちの心にも響く、大切なものだと、今日は確かに聞き取っていきたいと思います。

一つは、申命記6章5節を引用して、「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』 38これが最も重要な第一の掟である。

もう一つは、レビ記19章18節を引用して、「第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』 律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」とまとめられたのです。

3,振り返り 

わたしたちの生活はどうでしょうか? 「愛する」という言葉が、日本語ではピンときにくいといわれます。聖書を最初に日本語にした宣教師たちは、「大切にする」という言葉を選んだそうです。そうなると、こう問われています。「私は、神を大切にし、人を大切にしているでしょうか?」と。

そして、それらは、一丁目一番地であり、1にも2にも大切なこと。これら二つは分けることができないというのが、旧約聖書の教え、そしてイエス様が一言で言った大切なことでした。

 こんなことはないでしょうか?

1)神を大切にするけれども、人を大切にしていない。

2)人を大切にするけれども、神を大切にしていない。

3)神を大切にせず、人も大切にしていない。大切なのは自分だけ。

考えてみれば、これが、自分の心の中から、家庭、職場、社会、世界でも、いさかいや衝突の原因です。それは、教会の中でも起こりますし、世界では戦争にもなります。自分の考えを絶対化し、それに神を後ろ盾にすらして正当化し、他者を排除するときに宗教的な戦争も起こります。その気持ちが、人間の罪なのです。善悪の基準や判断の基準を、それぞれの自分がではなく、より高次な神に求め、意見が違っても人とも尊重しあい、共存していくことができずにいるから、今の戦争も起こっています。

613もあるという律法を、つまり神の戒めをすべて守らなくても、すべて覚えていなくても、この二つを心に刻むと大丈夫なのです。

4,勧め 

 これは、去年の教会学校の夏のキャンプで作っていただいた、教材です。十戒の石板に見立てて、10の戒めを子どもたちと一緒に張り付けて、覚えました。そして、週報の表紙は、十戒の石板に見立てたものに、これら二つだけが書かれています。613なくても、10なくても、2つだけ。


 戦争を見て驚き、非難するだけでなく、自分の心をまず、見つめましょう。そこに、この二つの大切な戒めに反しているところがあれば、それぞれ、悔い改めましょう。そして、キリストがなさったことを見つめましょう。それは、「人を愛する」だけにとどまらず、「敵をも愛する」ということでした。

 そんな十字架を見つめながら、十戒を石板に刻むにとどまらず、十字架上の敵を愛する愛を心に刻み、生きていきましょう。そのとき、自分の心にも、自分の人間関係にも、そして世界でも、平和が実現するのです。神様の祝福をお祈りしましょう。


 


牧師コラム・ 「LineでのQ&A」 -2  

イスラエルとパレスチナの間で戦争が始まり混迷を深めています。どうしてこの地の紛争が絶えないのか。今日も先週の続きで、Lineでの教会メンバーからの質問とお答えを掲載します。一緒に考えてみませんか?


Q:平和の声をあげると、キング牧師やアウンサンスーチンさんとか、主イエスも、敵になるんですね。対話で、平和への解決は難しいことを、すごく感じました!

A:そうですねぇ。誰の心にもある自分を大切にする心が、方向を間違えたり、他者が見えなくなると排除しあいつぶしあいになりますね。向上心も含めて、生存のための本能で大切ですが、大切なものを見失うと、マトを外すと罪深い自分を見ることになりますね。

それを超えるのが、自己犠牲の愛だと思います。みんながそれをすると社会が無秩序で成り立たなくなりますが、それをした人に心打たれて改心したら、人を許したり愛したりできるように少しずつできるようにされることを体験します。それがキリスト教の生き方で、信仰とか宗教というのと違う、生き方だと思います。

そんな人が増えると「地の塩」として社会に少しでも良い影響をもたらすという、遅々たる歩みで小さな存在かもしれませんが、それが大切と思わされるのが我々の集まり・教会だと思います。勉強や知識や対話ではなくて、生き方であり、そんな一緒に泣いたり笑ったりして支え合って生きることが、大切で、自分もそこで生かされ、生きていていいんだと思わされます。


Q:最近、周りの人とイスラエルの話しをする事があり徳弘先生から頂いたお返事を参考にさせて頂いてます。過去の歴史にさかのぼると、いろんな出来事がすべて繋がっていて絡み合って根深い問題になってるなと思いました。やっぱり、謙虚になることは大切だし必要だなとあらためて、この問題を考えるようになって思いました。両者が、謙虚になれれば、争いなんて、なくなると思います。そぉ言う私も謙虚には、なかなかなれないですが(笑)

連日、イスラエルのニュースばかりですが、テレビ、新聞、ネットetc いろんな媒体がある中で私たちはおそらくテレビから知ることが1番多く、それを鵜呑みにしてしまうと思います。正しい事が報道されているのですか?

A:そうですね。良い視点だと思います。TVや新聞の報道も、その会社の立場や方針で各社伝え方が違います。また、そもそも、外信で入ってくるニュースにもすでに偏りやフィルターがあることも知っておくべきですね。

そんな報道やインターネットの情報を、正しく読み込んで、取捨選択する能力、Fake newsも検証して見極める力が各個人に必要です。これを、「読み書きの能力」という意味の「リテラシー」という言葉を使って、「インターネット・リテラシー」が必要だ、などと言われます。インターネットで見た記事や主張を鵜呑みにしないで、独自に検証する力という意味でしょう。

そのためには、これらが大切と思わされます。1,基礎知識:日本の義務教育ではある程度の広い基礎知識が付けられるでしょう。詰め込みという方法や、戦争や歴史観には避けていたり不十分なところもある、という課題もありますが。2、冷静な目と独自調査や検証する努力。裏付けを取ることや反証にも目を通すということ。人間関係でも、反対論者の意見も真っ向否定せず、謙虚に耳を傾ける。などが必要なこととして上げられるでしょう。

広い目と謙虚な探求心が大切ですね。(続)


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